• Suppormance Hidaki

初ブログ

極貧のドサ回りツアーを10数年繰り返して、得た気づき「掃除から始まる」に絶対的自信があったので、3年間空き家やった、とある築100年の家を掃除し、ちょっと直して住むことにしたのですが、自分の気まぐれや溢れ出る欲求もさることながら、そもそもシロアリの被害がひどく、雨漏りだらけでカビだらけ。毎日コツコツ修繕を重ねていくうちに時間はあっという間に過ぎておりました。


修繕を担当してくれた大工さんは「おれなら壊す」の一点張り。

ど素人の私は「いや、直したい。いい感じに。」

でも、いろいろ訳あって図面もないし、無計画。

友達の紹介で来てくれたこの大工さんも、イレギュラーな依頼にご機嫌斜め。

それでも改修工事はこの凸凹道を進んだのです。


「俺たちは同じ人間で、同じ家を直すことを目的としている」


ということ以外は話題になんの共通点もなく、親子ほどの年齢差を埋めるだけでも大変大変。10時と15時にはお茶と菓子を用意し、寒い冬の日には「おらぁ、こんな薄い靴しかないでなぁ。」と、足を冷たそうにしていたので、そこそこいい値段のブーツを買ってプレゼントしたり、最初の頃はとにかく気を使いました。


日を追うごとに慣れてきて、価値観や常識の違いから何度も言い合いを繰り返し、喧嘩し、お互いを「どもならんやつ(飛騨弁でどうしようもない奴の意)」と言うようになってました。


見た目はなんと説明したらいいか難しいのですが、米びつや味噌蔵からカビだらけで出て来そうな猫背妖怪。結構嫌なことをズケズケと言ってくるし、せっかくあげたブーツも一回も履いて来ず、毎日薄い靴を脱いでストーブの前で両足をあげて、おかしな動物の難産ドキュメントを見ているようでした。

でも、その猫背の匠、大工一筋50年。すごい名工。

なんでそんなすごい人にタメ口で、あほ!とかハゲ!とか言ってるんやろ。。年上やのに。。と、ふと我にかえることもあったのですが、言いたいことを言えない、とか、嘘をついて作り笑いをすることはなかったかと思い返すと、そうでもなくて、今日は機嫌が悪いなと察知したら、わざと大声で笑って陰気な感じを吹き飛ばしたり、時には聞きたくもない愚痴の聞き役になることもありました。


そして不思議なことに、いつのまにかそのハゲの匠を師匠と呼ぶようになり、師匠も大工の技を解説してくれるようになりました。


この師匠と二人三脚で毎日コツコツ。コツコツコツコツ。


そしてあっという間に2年が過ぎました。

雪の重みで屋根が落ちたり、仏壇から声が聞こえてきたり、山ほどいろんなことあったのですが、くどくなるのでまたいつの日か。

とにかく、たくさんの友達のおかげもあり、何より師匠の技の一つ一つのおかげさまで、瀕死の家が蘇りました。家が喜んでくれていると感じることが何回もありました。あのブーツもよそ行きの時だけ大事に履いているそうです。


なんというか、

音楽に携わる者として、この家の改修に、音楽へ込める想いと同じ心を込めてきたので、こうやって形になったことが嬉しくて。

2年間置き去りにされていた音楽家としての自分を掃除し、さあ、やるぞという気持ちで人生初のブログを始めたわけです。


今後ともどうぞよろしゅう!!


                            曽爾テラワキ



https://www.hidaki-suppormance.com




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